
近年、グローバル企業において、海外拠点で実績のある優秀な人材を日本の事業所へ転勤(企業内転勤)させる動きが活発化しています。 本記事では、企業内転勤ビザの認定、変更、更新それぞれの申請手続きで必要となる書類を、具体的な項目ごとに整理しました。手続きの際に押さえておくべきポイントや、企業規模・転勤形態別の注意事項にも触れ、申請書類の漏れ防止やスムーズな審査取得に向けた情報を提供します。
企業内転勤ビザで初めて在留資格認定証明書交付申請を行う場合、以下の書類が求められます。 ※書式やサイズ、撮影日数、返信用封筒(または切手・ハガキ)の指定など、細部の規定を必ず確認してください。
在留資格認定証明書交付申請書 (所定の用紙に必要事項を記入してください。)
証明写真 ※縦4㎝×横3㎝、無帽・無背景、直近3ヵ月以内に撮影したもの
パスポートの写し
返信用封筒 (宛先を明記の上、392円切手を貼付)
申請企業の信用力を示すため、企業規模や前年分の源泉徴収税額に応じた証明資料が求められます。
① 上場企業または前年分の源泉徴収税額が1500万円以上の場合
四季報の写し または
日本の証券取引所に上場していることを証明する資料の写し
② 前年分の源泉徴収税額が1500万円未満の場合
前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表の写し ※税務署の収受印のあるもの
本人の職歴や業務実績を証明する書類が必要です。
履歴書 (関連する業務に従事した機関、具体的な業務内容、勤務期間を明記)
業務証明書 ※転勤の直前1年間に従事した外国法人での業務内容・地位・報酬が確認できる証明書
※特定の場合の追加書類
役員として転勤する場合 → 株主総会議事録の写し(役員報酬を決議したもの)
同一法人間での転勤の場合 → 外国法人の支店の登記事項証明書 → 転勤命令書または辞令の写し
日本法人への転勤の場合 → 日本法人の登記事項証明書 → 雇用契約書の写し → 日本法人と出向元の外国法人との出資関係を証明する資料(定款の写し、株主名簿など)
在留資格認定後、企業状況変更や業務の都合によって在留資格変更を申請する場合に必要な書類は、認定時と似通った項目ですが、変更申請専用の書類が用意されます。
在留資格変更許可申請書
証明写真 ※縦4㎝×横3㎝、無帽・無背景、3ヵ月以内のもの
パスポート及び在留カードの原本
返信用ハガキ (宛先記入必須)
提出する企業証明書類は、認定時と同様に企業の規模や前年の源泉徴収状況によって異なります。
① 上場企業・前年分の源泉徴収税額が1500万円以上の場合
四季報の写しまたは上場証明資料の写し
② 前年分の源泉徴収税額が1500万円未満の場合
法定調書合計表の写し (税務署の収受印あり)
履歴書 (関連業務の内容、期間、勤務先情報を明確に記載)
業務証明書 (転勤直前に勤務した外国法人の実績・地位、報酬等を詳細に記載)
※多くの場合、認定時と同様の追加書類(役員の場合、同一法人間の転勤の場合、日本法人への転勤の場合の書類)も求められます。
在留期間の更新手続きにおいては、経過期間中の納税状況や勤務実績など、最新の情報が求められます。更新申請の際の書類は、以下の通りです。
在留期間更新許可申請書
証明写真 ※縦4㎝×横3㎝、無帽・無背景、3ヵ月以内に撮影したもの
パスポート及び在留カードの原本
返信用ハガキ (宛先記入必須)
① 上場企業・前年分の源泉徴収税額が1500万円以上の場合
四季報の写し又は上場証明書類
② 前年分の源泉徴収税額が1500万円未満の場合
前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表の写し (税務署の収受印のあるもの)
住民税の納税証明書 (1年間の総所得及び納税状況が記載されたもの)
新設会社として申請する場合、通常の書類に加え、企業の信頼性や事業計画を示す追加書類が必要となります。
【共通書類】は前述と同様 【企業に関する書類】として:
申請理由書
事業計画書
事務所の不動産賃貸借契約書の写し
外国法人および日本法人の会社案内 (沿革、役員、業務内容、主要取引先、実績などの記載があるもの)
給与支払事務所等の開設届出書の写し
源泉所得税の納期の特例承認に関する申請書の写しまたは、直近3カ月分の所得税徴収高計算書(領収日付印付き)
免除を受ける場合は、外国法人の源泉徴収免除証明書
【申請人に関する書類】は、認定申請の際と同様の履歴書および業務証明書となります。
更新の場合は、基本的には共通書類と、それに加えて最新の企業情報および申請人の納税証明書の提出が求められます。
企業内転勤ビザの取得、変更、更新の各手続きには、共通書類として定められた在留資格申請書類の他、企業の規模や形態、前年の納税状況などによって異なる企業関連書類、さらに申請者個人の職務実績や役職を証明する申請人に関する書類が必要です。
基本書類の徹底確認 在留資格申請書、証明写真、パスポート写し、返信用封筒/ハガキは必須。書式サイズや写真の条件に注意。
企業関連書類の正確な提出 上場企業や納税額によって提出する証明資料が異なるため、最新の基準を確認することが重要です。
申請人の業務実績の証明 転勤前の実績をしっかり証明できる書類(履歴書、業務証明書等)の用意が、申請成功のカギとなります。
特例や追加書類 役員としての転勤、同一法人間の転勤、日本法人への転勤、や新設会社の場合は、さらに追加の証明書類が必要となります。
専門家との連携 書類の準備は複雑なため、行政書士などの専門家に相談することで、申請審査を円滑に進めることが可能です。
本記事を参考に、必要な書類を漏れなく準備し、正確な情報を添えた申請を行うことで、企業内転勤ビザの取得・変更・更新を成功させるための一助になれば幸いです。最新情報や詳細な手続きについては、最寄りの入国管理局や専門家へのご相談をお勧めします。
この情報が、企業内転勤ビザの手続きにおける書類準備の参考になれば幸いです。さらにご不明点や具体的なご相談がある場合は、お気軽に専門の行政書士事務所へお問い合わせください。