在留資格「高度専門職」の概要








高度専門職1号ロとは?イロハの違いや取得方法、必要書類を徹底解説




高度専門職1号ロとは?イロハの違いや取得方法、必要書類を徹底解説



高度専門職ビザを取得すると、5年間にわたり多様な在留活動が可能になります。中でも「高度専門職1号ロ」は、人文科学や自然科学の知識・技術を活かす業務に従事する外国人に適した在留資格です。本記事では、1号ロの概要、取得するメリット、条件、さらには必要書類について詳細に解説します。




高度専門職ビザとは



高度専門職ビザは、日本への高度な外国人材の受け入れを促進するため、ポイント制を導入して設けられた在留資格です。ビザは高度専門職1号(さらに「イ」「ロ」「ハ」の区分に分かれています)と高度専門職2号に分類され、各カテゴリーによって認められる活動内容や在留期間が異なります。特に1号ロは、人文科学や自然科学の分野で専門知識を発揮し、システムエンジニアやプログラマーなどとして活躍する外国人に適している点が特徴です。




高度専門職1号ロとイ・ハの違い



高度専門職1号は、活動内容によって以下の3区分に分類されます。1号イは「高度学術研究活動」に該当し、主に研究指導や教育に従事する人材が対象です。1号ハは「高度経営・管理活動」として、企業の管理や経営を行う外国人向けです。一方、1号ロは、企業内転勤、教授、芸術など、他の就労ビザと重複する活動が認められているため、より柔軟な働き方が可能となります。




高度専門職1号と2号の違い



1号ビザは通常5年間の在留期間が認められ、ポイント制により条件を満たすことで発給されます。これに対して2号ビザは、活動内容の範囲が広がるとともに在留期間が無期限に変更され、実質的な永住が可能となります。ただし、2号への変更には、1号での3年以上の在留実績や良好な素行要件が求められるため、まずは1号ビザでの実績作りが必須です。




高度専門職1号ロを取得するメリット



  • 複合的な在留活動が可能となり、複数の就労形態に柔軟に対応できる

  • 在留期間が5年と長期で、安定した事業活動が行える

  • 永住許可の要件が緩和され、将来的な永住申請が有利になる

  • 配偶者の就労が認められ、家族での生活基盤が整いやすい

  • 条件を満たせば親の帯同も可能となる

  • 一定の条件下では家事使用人の帯同が認められる

  • 入国・在留手続が優先的に処理されるため、スムーズな対応が可能



これらのメリットにより、高度専門職1号ロは、専門知識を活かす働き方を希望する外国人にとって、非常に魅力的な在留資格となっています。




高度専門職1号ロの取得要件とポイント制



高度専門職1号ロの取得は、ポイント制に基づいて評価されます。学歴、職歴、年収、年齢など各項目に点数が与えられ、総合計が一定の基準(基本的には70点以上)に達する必要があります。さらに、日本での就労後の予定年収が300万円以上であることも必須条件です。


ポイントの具体的な算出は、出入国在留管理庁が定めた計算表により行われ、各項目にボーナスポイントや研究実績などの加点要素が存在します。申請前に自身の条件を十分にチェックし、必要なポイントをクリアしているか確認することが大切です。




高度専門職1号ロ取得のための必要書類



1号ロを取得するためには、下記の書類を中心に必要な資料を整える必要があります。これにより、自己のポイントが正確に証明され、在留資格認定の審査がスムーズに進行します。


  • 在留資格認定証明書交付申請書

  • ポイント計算表(出入国在留管理庁の基準に従ったもの)

  • 学歴、職歴、年収、年齢など各項目の証明書類(卒業証明書、職務経歴書、給与明細等)



なお、すでに日本に在留している場合は、在留資格変更許可申請書を用いることで、現行の在留資格から1号ロへの切り替えが可能です。必要書類は、各自の状況に応じて追加となる場合があるため、事前に最新の情報を入国管理局のウェブサイトで確認することが推奨されます。




まとめ



高度専門職1号ロは、専門知識と技術を活かして幅広い就労形態を可能にする魅力的な在留資格です。ポイント制に基づく採点で70点以上を獲得し、一定の年収条件をクリアすれば、5年間の在留が認められるとともに、永住申請のハードルも緩和されます。申請にあたっては、必要な書類の準備と、各種証明資料による自己の能力の裏付けが不可欠です。日本での活躍を目指す高度専門職の皆様は、事前の準備を十分に行い、最新の情報をもとに手続きを進めることで、スムーズな在留資格取得を実現してください。






行政書士江坂国際法務事務所