■はじめに
「経営管理ビザってどんなビザ?」と疑問に思い、また「日本で自分の会社を経営したい」と考える外国人起業家は決して少なくありません。雇われる働き方ではなく、飲食店開業やオリジナルビジネスの
経営管理ビザ不許可の原因と基本要件|失敗しない申請のためのチェックポイント
日本でビジネスを展開する外国人にとって、経営管理ビザの申請は事業継続の要です。しかし、書類の不足や要件の未達によって不許可となるリスクもあります。本記事では、不許可に至る主な原因と、出資して起業する場合および出資なしで役員就任する場合の基本要件を詳しく解説します。
資料の不足や説明不足による申請不許可
経営管理ビザ申請では、資本金の出所や事務所の実態を証明するため、各種資料の添付が求められます。具体的には、不動産契約書、事務所の写真、平面図などを提出し、事業の実態や運営状況を明確に説明する必要があります。また、事業計画書においては、売上予測、原価、人件費、経費、利益率といった数値面の詳細な計画が必須です。単に入国管理局のホームページに記載されている書類を揃えるだけでは不十分で、実際の事業活動が十分に裏付けられていることを示さなければなりません。
申請要件を満たしていない場合のリスク
経営管理ビザの更新や新規申請では、申請時点で必要な許可要件を満たしていなければ、どれほど優れた事業計画書を提出しても審査は通りません。審査で見落とされがちな失敗パターンとして、次のような事項が挙げられます。
- 事務所が自宅兼事務所となっている
- 不動産賃貸借契約書の使用目的が「居宅用」と記載されている
- バーチャルオフィスやシェアオフィスの場合、明確な区画が設定されていない
- 事業計画書に基づくと、事務所の広さが不十分である
- 事業計画の実現性が低いと判断される
- 資本金の形成過程や出所が不明瞭
- 同一会社で2名以上の経営管理ビザを申請する合理的な理由が不足している
- 飲食店、整体院、美容室など、経営者自身が直接接客に携わる形態
- 留学生が出席率や成績不振の中で申請している
- 留学生や家族滞在者が資格外活動時間(週28時間)を超過している
- 配偶者ビザから離婚後すぐに申請し、会社経営の実体に疑念が生じる場合
- 刑事事件での有罪判決歴がある場合
出資して起業する場合の基本要件
出資を伴う形で起業する場合、以下の基本要件がクリアされていることが必須です。まず、500万円以上の資金を用意し、事業の実態を示すための事務所または店舗を確保することが求められます。これにより、事業の信頼性と安定性が担保され、ビザ審査での評価が向上します。
出資なしで役員就任する場合の条件
一方で、出資を伴わずに企業の役員に就任するケースでは、経営や管理の実務経験が3年以上あることが条件となります。また、その実務経験をもとに、既存企業の経営管理職としてのポジションに就任し、実際に経営管理業務を遂行できることを示す必要があります。これにより、出資がなくとも企業経営に貢献できる実力と実績が認められるのです。