永住申請の不許可原因|よくあるケースと対策





永住申請の不許可原因|よくあるケースと対策





永住権とは

永住権とは、外国籍のまま日本において在留期間や就労の制限を受けずに長期的に暮らせる権利を指します。在留資格「永住者」が付与されると、在留期間の更新手続きが原則不要になります。



永住申請の概要

永住申請の審査は慎重で、法律上の要件(素行の善良性、独立生計能力、日本国の利益に合致することなど)を総合的に満たしているかを判断します。要件を満たしていると考えても書類の不備や説明不足で不許可になることがあるため、準備が重要です。



不許可になりやすい原因(総覧)

不許可の代表的原因は次の5つの観点に分類できます。



  • 素行・犯罪歴・交通違反などの問題

  • 収入・雇用・資産が不安定であること

  • 税金・年金・保険料の未納や遅延

  • 在留実績の欠如や長期出国による「継続在留」の途切れ

  • 提出書類の不備・説明不足・虚偽記載



素行が善良であることに関する不許可原因

主な事例とその意味合いを整理します。



  • 懲役刑や罰金刑の既往:処分日から一定年数(事案により概ね5〜10年)が経過していない場合、不許可になりやすい。

  • 重度の交通違反(飲酒運転等):刑事罰に該当する場合は審査上不利となる。

  • 反社会的勢力との関係:所属・関与が確認されると許可は得られない。



独立の生計を営むに足りる資産又は技能に関する不許可原因

収入や資産、職歴に関する代表的な不認定理由。



  • 収入が安定していない:目安とされる水準を大きく下回る場合、将来の生活安定性が疑われる。

  • 頻繁な転職や無職期間が長い:継続的な就労実績が評価されにくい。

  • 扶養家族が多いのに世帯収入が不足している:世帯全体での生活基盤が不十分と判断される。

  • 収入証明が不十分・整合性がない:課税証明書、源泉徴収票、確定申告書等の裏付けが重要。



日常生活において公共の負担にならないことに関する不許可原因

公的負担に関わる不許可要因と審査上の重視点。



  • 生活保護受給歴:公共負担の有無は厳しく見られる。

  • 税金・年金・健康保険料の未納や支払遅延:支払履歴は審査で重要視され、未納があると不許可の可能性が高い。

  • 未納があった場合の説明不足:完済後の証明や事情説明がなければ不利になる。



その者の永住が日本国の利益に合致することに関する不許可原因

在留年数や出国状況、在留資格の最長期間といった要素が判断材料になります。



  • 継続在留10年が満たされない、あるいは就労・居住系で継続5年が満たされない。

  • 長期・頻繁な海外滞在:一年間の国外滞在日数や一回の長期出国(例:3か月以上)で「継続在留」が途切れる可能性。

  • 現在の在留期間が「最長の在留期間」を満たしていない(例:本来5年の在留が期待される在留資格で1年しか付与されている等)。

  • 公衆衛生上の問題(伝染病等)や安全保障上の懸念がある場合。



不許可を避けるための準備と実務的対策

不許可リスクを下げるための具体的なチェックポイントと手順を示します。



  1. 出入国履歴と在留年数の整理:入管の「出入国記録」を取得して日付を整理する。

  2. 税・年金・保険料の確認と是正:未納があれば完済し、完済証明や支払履歴を用意する。

  3. 収入と雇用の裏付け:課税証明書、源泉徴収票、確定申告書、在職証明書を直近数年分揃える。

  4. 事情説明書・理由書の作成:出国の理由や過去の空白期間、転職事情、未納があった場合の経緯を時系列で説明する。

  5. 過去の処分がある場合の対応:罰金・懲役等の処分日を明確にし、経過期間や改善状況を示す証拠を添付する。

  6. 書類の整合性チェック:前回申請と内容が変わる場合は矛盾がないように整える。虚偽は致命的なリスクとなる。

  7. 専門家相談の活用:不許可理由が不明確な場合や事情が複雑な場合は、行政書士など専門家に相談し聞き取りや書類作成を依頼する。


実務メモ



  • 不許可通知書は必ず保管し、入管で不許可理由を聞く際に持参する。

  • 入管への聞き取りは一度きりの場合があるため、質問は事前に整理する。

  • 再申請の法的な待機期間はないが、未払いや未整理の事項は解消してから再申請する方が成功率は高くなる。



まとめ

永住申請の不許可は、単に「在留年数が短い」など単純な理由から、税・年金の未納や書類不備、出国日数の扱い、過去の刑罰といった多様な要因が絡んで生じます。申請前に自分の状況を項目ごとに整理し、証拠となる書類を揃え、必要な説明を具体的に用意することが不許可リスクの低減につながります。事情が複雑な場合や不許可を受けた場合は専門家の関与を検討してください。