永住権と扶養者・扶養家族|審査で見られるポイントと実務対応
目次
概要と結論
永住許可の審査では、申請者本人の収入だけでなく扶養家族の有無と実態が重要になります。扶養家族が多いと必要な世帯収入の目安も上がるため、事前に扶養状況を整理し、納税や送金の証拠を揃えておくことが合格率を高める近道です。
扶養者とは
扶養者とは、申請者が生活費や生計を支えている配偶者や子どもなどを指します。通常は同居する配偶者・子が扶養対象になり、一定の条件を満たせば国外居住の親族(6親等内の血族、3親等内の姻族)も扶養家族として認められ得ます。扶養に関する申告には、親族関係や送金実績を証明する書類が必要です。
永住申請で見る年収と扶養人数の目安
審査では「単身での生活基盤」と「世帯での生活基盤」の両面が見られます。実務上の目安としては以下のとおりですが、ケースにより変動します。
- 単身の場合の目安:年収おおむね300万円程度
- 扶養者1人あたりの上乗せ目安:60万円〜80万円程度
- 例:配偶者と子1人、国外の親1人を扶養するなら年収約480万円が目安
これらはあくまで目安で、職歴の安定性、過去数年の収入推移、業種や地域差、家族の生活実態などにより判断されます。
海外にいる家族を扶養する場合の要件
国外居住の家族を扶養に入れるには、単に親族関係を申告するだけでは不十分になっています。実務上求められる代表的な証明は次のとおりです。
- 戸籍や親族関係を示す書類の写し
- 送金記録や銀行明細など、実際に扶養していることを示す証拠
- 扶養の必要性を説明する陳述書(理由書)
送金の継続性や金額が一定の目安を満たしているかどうかが審査に影響します。国や地域によっては追加の裏付け書類を求められることもあります。
扶養家族を訂正するには
申告した扶養家族に誤りがあった、あるいは実際の送金が停止した等の場合は速やかに修正手続きを行いましょう。手続きは主に次の窓口で行います。
- 住民票や税の扶養申告に関する修正は市区町村窓口での手続き
- 会社の扶養届は勤務先の人事・総務へ届出
- 過去の申告内容を訂正する場合は税務署への相談が必要なケースあり
永住申請前に扶養情報を正確にしておくことが、申請時の不整合を避けるうえで重要です。
審査で不利になりやすいケースと対策
審査で問題になりやすい典型例とそれぞれの対策を示します。
不利になりやすいケース
- 扶養家族が多いのに申請者の収入が不足しているケース
- 国外扶養を申告しているが送金の証拠がないケース
- 過去に扶養申告を虚偽で行っていた疑いが残るケース
実務的な対策
- 納税証明、年金・社会保険の加入履歴、源泉徴収票などを確実に揃える
- 海外への送金がある場合は通帳の入出金記録や送金明細を保存する
- 扶養の必要性を説明する陳述書や第三者(学校・医療機関・受入団体)の資料を用意する
- 申告内容に誤りがあれば自治体・勤務先・税務署へ速やかに修正申請する
重要:審査官は「世帯として日本で生活を維持できるか」を総合的に判断します。数値だけでなく実態の裏付けが重要です。
まとめ
永住申請では扶養家族の有無が収入基準に直結します。扶養家族を正しく申告し、納税や社会保険、送金証拠などの裏付けを整えることが必要です。国外に居る家族を扶養に含める場合は親族関係と送金実績を示す書類が必須になります。申請前に扶養情報を整理し、修正が必要な場合は速やかに行政手続きを行ってください。準備が不安な場合は、専門家に相談して書類構成を確認することをおすすめします。


