家族滞在ビザから永住権を取得するための実務ガイド





家族滞在ビザから永住権を取得するための実務ガイド




家族滞在ビザとは

家族滞在は、就労系在留資格を持つ外国人の配偶者や子どもが日本で生活するために付与される在留資格です。原則扶養を前提にしており、就労は資格外活動許可を得た場合にのみ週28時間まで認められます。その性質から、単独で永住申請するには制約が大きく、実務上は配偶者など扶養者と同時に申請するケースが多くなります。



家族滞在から永住申請をする際の基本的な考え方

家族滞在のまま単独で永住を目指すのは困難です。永住の基準は「独立した生計」「安定した在留」「日本社会への適応」などであり、扶養者の収入や納税履歴が申請の評価を左右します。配偶者と同時申請する場合、扶養者が永住要件を満たすと、その家族も「永住者の配偶者等」として扱われるため許可されやすくなります。



永住許可で確認される主な条件



  • 素行が善良であること

  • 独立の生計を営むに足りる資産または技能があること

  • 日常生活で公的負担にならないこと(将来の生活が安定していること)

  • 日本の利益に合致すること(通例:継続在留10年以上など)

  • 罰金刑・懲役刑等の有無と公的義務の適正履行(納税・年金・保険料・届出等)


家族滞在の場合、上記のうち「独立生計」や「継続在留年数」は扶養者の事情に基づき評価されます。



在留期間と住居要件の扱い

永住申請の一般的要件は継続して10年以上日本に在留することですが、家族と同時申請する場合は要件が緩和されることがあります。具体的には配偶者が永住者となる見込みがある場合、婚姻の実態が3年以上かつ1年以上引き続き日本に在留しているなどの住居実態が重視されます。
出国頻度にも注意が必要です。1回の出国が90日以上、または1年間で半年以上国外にいると「引き続き在留」の要件を満たさない可能性があります。



収入・生計基盤(扶養者の役割)

家族滞在の申請者自身が独立して生計を立てていると判断されるケースは稀であり、扶養者の収入が審査の基礎になります。実務上は扶養者の所得証明や課税証明書、給与明細、雇用契約書などで安定収入を示します。
目安として扶養者の収入水準(扶養人数に応じた生活費を賄えるか)が審査のポイントです。一般的な目安は扶養者1人で約330万円、扶養者が複数いる場合はそれに応じて上乗せされる想定ですが、個々の事情で変動します。



公的負担・納税・社会保険の履行

住民税・国民年金・国民健康保険料などの適正な納付状況は非常に重要です。扶養者・申請者双方の納税証明や保険料の納付証明を揃え、遅延がある場合は理由と完納の証拠を示す必要があります。未納や長期の滞納は許可を大きく損ないます。







項目 審査で確認される点
住民税 直近数年の課税・納付状況;滞納がないか
年金・保険料 直近2年程度の納付実績;期限内納付の有無
課税証明 扶養者の所得証明で生活安定性を裏付ける



素行・刑事処分の取扱い

過去に懲役刑や罰金刑がある場合、刑の重さに応じて申請の許否に影響します。飲酒運転や重大な交通違反など刑事罰に該当する事案は特に慎重に扱われます。処分後の経過年数や反省の度合い、社会復帰の実績が問われ、目安として数年の経過が求められることが多いです。



実務上の注意点と準備書類

家族滞在から永住を目指す場合、事前に次の点を整えておくと審査での説得力が高まります。



  • 扶養者の課税証明書・源泉徴収票・給与明細(直近数年)

  • 住民税の納税証明・国民年金・国民健康保険の納付証明または通帳記録

  • 婚姻の実態を示す書類(同居状況が分かる住民票・婚姻届の写し・写真など)

  • 住居を示す契約書や公共料金の明細(生活基盤の証明)

  • 過去の処分がある場合は処分証明と経緯説明書


専門家による事前チェックを受け、書類の漏れや説明不足を補っておくと許可率が上がります。単独申請は非常にハードルが高いため、配偶者と同時申請する手順や在留資格の変更(就労資格取得など)も視野に入れて検討してください。



まとめ

家族滞在ビザから永住を取得するには、単独申請は難しく、扶養者と同時に要件を満たす形で申請するのが現実的です。特に扶養者の安定した収入・納税履歴・社会保険の履行・婚姻の実態・継続在留の状況を整えることが重要になります。準備が整わないまま申請すると不許可となるリスクが高いため、申請前に書類を整理し専門家に相談してください。


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