交通違反がある場合の永住許可申請 — 何回までなら問題ないかと実務対応




交通違反がある場合の永住許可申請 — 何回までなら問題ないかと実務対応




交通違反と永住審査の関係

永住許可の審査では「素行が善良であること」が重要な要件です。交通違反は単独で即座に不許可になるものではありませんが、違反の内容・回数・最近性・生活全般での態度(納税や保険加入など)と合わせて総合的に判断されます。軽微な違反が断続的にあるか、重い刑事罰があるかで評価は大きく変わります。





軽微な違反(白切符・青切符)の扱い

軽微な違反は一般に次のように分類されます。



  • 白切符(告知票):シートベルト未装着など。処分は点数付与が中心で反則金が課されない場合がある。

  • 青切符(交通反則告知書):駐停車違反や軽度の速度超過など。反則金と点数が科される。

これらは刑事罰(前科)に直結しないため、単発であれば永住許可に与える影響は限定的です。ただし短期間に何度も繰り返すと「生活態度に問題がある」と評価されるリスクがあります。実務では過去5年程度で数回(目安として3〜4回程度まで)は大きな問題にならないことが多い一方、短期間に集中しているとマイナス評価になり得ます。





重大な違反(赤切符・刑事罰)の扱い

飲酒運転、無免許運転、重大な速度超過や人身事故などは「赤切符(告知票・免許証保管証)」に繋がり、刑事処分(罰金または懲役)を伴うことがあります。刑事罰が確定すると、永住審査において極めて重大な障害になります。







刑罰の種類 審査上の一般的な待機期間
懲役・禁固(実刑) 出所後おおむね10年が安全期間の目安(個別事情により変動)
懲役・禁固(執行猶予) 執行猶予満了後おおむね5年が目安
罰金刑 刑の執行(納付)後おおむね5年が目安

上記は一般的な目安であり、事件の性質、反省の有無、社会復帰の状況、再犯防止策などを総合して最終判断されます。重度の刑事事件は永住許可までの道が非常に遠くなる点に注意してください。





実務上の目安と審査官が見るポイント

審査官は数字だけでなく「生活全体の信頼性」を重視します。具体的には以下をチェックします。



  • 違反の内容と反復性(短期間に集中していないか)

  • 違反後の態度(反省の有無、改善の取り組み)

  • 納税や社会保険の履行など公的義務の適正な遂行

  • 就労・居住の安定性、家族や地域での評価(推薦状等)


注:回数の具体的な数値基準は法律上明記されていません。上の回数目安は実務上よく使われる経験則であり、すべてのケースに当てはまるわけではありません。





申請前にできる具体的対応

違反がある場合でも、申請前に準備しておくことで許可される可能性を高められます。



  • 運転記録証明書を取得する:過去の違反回数や内容を正確に把握するために警察署で取得する。

  • 反省と改善の証拠を用意する:違反講習の受講証明、交通安全講習、職場での改善状況を示す書面など。

  • 公的義務の履行を整える:納税証明、年金・健康保険の納付記録を整理し未納があれば速やかに解消する。

  • 事情説明書を用意する:違反の経緯・反省・現在の生活状況を整理した書面を作成する。

  • 第三者からの証明を集める:雇用主・地域団体・専門家などの推薦状や活動実績の証明。

  • 専門家に相談する:行政書士や弁護士と事前に戦略を練り、申請時期・必要書類を確認する。

重要なのは「隠さない」ことです。違反歴を隠して申請すると虚偽申請と判断されるリスクが高まり、却って不利になります。正確な記録を提出し、誠実に事情を説明しましょう。





まとめ

交通違反だけで永住が自動的に否定されるわけではありません。軽微な違反は単発であれば影響が限定的ですが、短期間に繰り返すと審査上マイナスになります。飲酒運転や無免許運転など刑事罰につながる重大違反がある場合は、一定期間(罰金は5年前後、実刑は10年前後が目安)を置く必要があると考えて準備してください。申請前に運転記録証明書を取得し、反省・改善の証拠と公的義務の履行を整えて、専門家と相談しながら進めることをおすすめします。


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