技術・人文知識・国際業務ビザから永住権を取得するための完全ガイド





技術・人文知識・国際業務ビザから永住権を取得するための完全ガイド




技術・人文知識・国際業務ビザとは

「技術・人文知識・国際業務」ビザは、日本企業で専門的業務に従事する外国人に付与される在留資格の代表格です。ソフトウェア開発、翻訳・通訳、企画・営業、人事・総務など幅広い専門職が対象になります。この在留資格は、在留期間の更新を繰り返すことで長期的に日本で働く基盤となり、一定の要件を満たせば永住申請の対象となります。



永住申請で確認される主な要件

申請時に評価される主要項目は次の6点です。



  • 在留期間(原則:通算10年以上、日本での就労系在留資格が通算5年以上等)

  • 現に有している在留資格が最長の在留期間であること(通常3年または5年)

  • 独立した生計を営むに足りる資産又は技能があること(収入基準の目安あり)

  • 公的負担(生活保護等)にならないこと、将来も安定的に生活できる見込みがあること

  • 素行が善良であること(犯罪履歴や重大な違反がないこと)

  • 罰金刑や懲役刑を受けておらず、公的義務(納税・年金・保険料等)を適正に履行していること


これらは総合的に判断され、どれか一つだけ満たせば許可される仕組みではありません。



在留年数と住居要件(具体例を含む)

原則として永住申請の基礎は「通算10年以上の在留」。そのうち就労系在留資格(技術国際等)での在留が直近5年以上必要とされることが一般的です。重要なのは“引き続き在留”の考え方で、長期の出国があると連続性が損なわれる場合があります。


具体例



  • 留学7年→技術ビザ3年:直近5年が就労系ではないため要件を満たさない
  • - 改善策:就労系で通算5年以上の継続在留を確保してから申請する


  • 技術ビザで2年勤務→留学に切替→再び技術ビザで3年:直近5年が就労系でないため要件不達


出国ルールの目安:1回の出国が90日以上、または年間で半年以上の出国はマイナス評価になりやすい。



在留期間区分(最長の在留期間で在留していること)

入管は申請者が持つ在留期間が「最長(付与可能な最大期間)」であることを好みます。技術国際ビザの場合、在留期間は1年・3年・5年のいずれかで付与されます。実務上は可能な限り長い(3年または5年)区分で更新しておくと審査上有利です。



収入と生計能力の実務判断

収入の基準は法律で明確化されていませんが、実務上の目安は年収300万円程度とされています。扶養家族がいる場合は扶養1人あたり概ね20〜30万円を上乗せした金額が必要とされることが多いです。判断は課税証明書(市区町村発行)や確定申告書等を基に行います。

経営者(経営管理ビザに切替える等)の場合は、役員報酬が審査の対象になります。個人事業で所得を低く抑える節税があると不利になり得ます。



公的負担にならないこと(納税・保険)

住民税、年金、国民健康保険(または厚生年金・健康保険)の納付状況は重要評価項目です。未納や滞納があると不許可になる可能性が高く、納付の履歴・証明をきちんと整えておく必要があります。






確認項目 審査で見られるポイント
住民税 直近数年分の課税・納付状況。滞納は重大なマイナス
年金・国保 継続的に納付されているか。未納解消の証明を提出する



素行善良要件(犯罪・交通違反・配偶者の事情)

軽微な交通違反は単発だと大きな障害にはなりにくい一方、飲酒運転や無免許運転など刑事罰に問われる違反があると永住取得は非常に難しくなります。刑事罰が確定している場合、罰金は納付後およそ5年、実刑は出所後およそ10年が目安となることがあります。


配偶者や同居家族の行為も審査に影響します。例えば、配偶者が家族滞在で資格外活動の制限超過(週28時間超の無許可就労)を繰り返していると「監督不行届」と判断され、申請者の素行評価に響くことがあります。



準備すべき書類と現実的な対策

申請前に最低限揃えておくとよい書類と、実務的な手順を挙げます。


必須レベル



  • 在留カード、パスポートの写し

  • 住民票(世帯全員分)

  • 課税証明書(直近5年分が基本)・源泉徴収票・確定申告書(控)

  • 納税証明書および年金・保険料の納付証明

  • 雇用証明(在職証明書・雇用契約書・給与明細)


補強資料(あると有利)



  • 在職先からの推薦状や事業内容説明書

  • 通帳の預金残高・不動産登記簿など資産証明

  • 事情説明書(低収入・失業・出国等の経緯と再発防止)

  • 地域貢献・ボランティアや日本語能力を示す証明


実務チェックリスト(短期的にやること)



  1. 直近5年の課税証明を市区町村で取得する

  2. 未納があれば速やかに納付して納付証明を取得する

  3. 源泉徴収票は勤務先に法人印を押印してもらう

  4. 事情説明書を時系列で整理し、裏づけ資料を添付する

  5. 不安がある場合は専門家に事前確認を依頼する



審査で重視されるポイントとよくある誤解


審査官が見る本質



  • 数年分の収入が安定しているか(単発の高収入は評価されにくい)

  • 公的義務(納税・年金・保険)の履行状況

  • 生活基盤の安定性(雇用形態・住居・家族関係)

  • 過去の違反や犯罪があれば、経過年数と再発防止の状況


よくある誤解



  • 「ある年に高収入なら平均で良い」→ 実務では年毎の基準達成が重視される

  • 「源泉徴収票だけで完結する」→ 多くの場合、審査中に正式な課税証明を追加で求められる

  • 「在留期間の短い更新でも問題ない」→ 可能な限り長い在留期間で更新しておくことが望ましい



まとめ

技術・人文知識・国際業務ビザから永住権へ移行する際は、在留年数や在留期間区分、継続した安定収入、納税・保険料の履行、そして素行の良さが一体となって評価されます。単一の項目だけで可否が決まるわけではなく、総合的な「日本で安定して生活していけるか」が審査の本質です。申請前に課税証明や納付証明を整え、事情説明書や補強資料で申請書類の説得力を高める準備を行ってください。必要であれば早めに専門家へ相談することをお勧めします。


当事務所では、永住申請の事前診断、書類作成支援、事情説明書の作成、入国管理局への提出代行を行っています。個別の事情に合わせた最短の申請戦略を一緒に検討します。