経営管理ビザから永住権取得までの完全ガイド | 行政書士江坂国際法務事務所





経営管理ビザから永住権取得までの完全ガイド

経営管理ビザで日本に滞在する方が永住権(永住許可)を目指す際に押さえるべき法的要件と実務ポイントを、分かりやすく整理しました。事業実績や社会保険、納税など実務で重要になる点に重点を置いて解説します。




経営管理ビザとは

会社設立や事業経営・管理を行う外国人に認められる在留資格です。事業所の確保、資本金や投資額、従業員の雇用といった要件を満たす必要があります。家族帯同も可能で、事業実務に基づく在留です。



永住権とは

在留期間の制限がなく、就労・活動の制約がほとんどない在留資格です。取得には原則として長期の継続在留、安定収入、納税・公的義務の履行、素行の善良性などが求められます。



経営管理ビザと永住権の比較

経営管理ビザは「事業運営・管理」に特化した資格で事業の継続が前提になります。永住権は活動の自由度と安定性が高く、無職でも在留が維持され得る点が大きな違いです。経営者は永住権を持つことで事業外の判断や金融取引で有利になることが多いです。



永住権取得の要件(経営管理からの移行)

経営管理ビザ保有者が永住を申請する場合、入管が総合判断する要点は次の6点です。いずれも満たす必要があります。



  1. 十分な在留期間があること(原則10年・就労系で5年の実績等の運用)

  2. 現在の在留資格の在留期間が最長であること(申請時に3年または5年など最長期間で在留している)

  3. 独立の生計を営むに足りる資産または技能があること(給与・役員報酬・資産)

  4. 公共の負担にならず将来にわたり安定した生活が見込まれること(事業の継続性)

  5. 素行が善良であること(重大な犯罪歴や著しい違反がない)

  6. 住民税・年金・健康保険などの公的義務を適正に履行していること

実務上は「在留期間」「事業実績(直近2期程度)」「社会保険加入」「納税状況」「黒字化の有無」が特に重視されます。



移行のための重要ポイント



1 在留期間のまとめ方

原則10年の在留が必要ですが、就労系(経営管理含む)での通算実績が5年あれば運用上要件を満たすケースが多いです。経営管理ビザの場合は、概ね「経営管理で3年または5年」の在留実績が重要視されます。出国が多いと通算がリセットされる点に注意してください。



2 事業の安定性と決算書

会社の黒字化・売上の継続性・負債状況・従業員雇用の安定は審査で大きく評価されます。特に直近2期の決算書(可能なら黒字)や売上推移、事業計画の実現性が重要です。赤字が続く場合は補強説明が必要です。



3 社会保険・納税の完全履行

会社および代表者の社会保険加入と納付(健康保険・厚生年金・法人税・消費税など)の証明が必須です。未納や滞納は致命的なマイナス要素になります。



4 役員報酬・個人収入の根拠

永住審査では申請者本人の独立した生計能力が重要です。役員報酬や配当、個人の課税証明が評価されます。目安として年間300万円前後(扶養人数で上積み)を基準に評価されることが多いです。



5 素行・処分・説明責任

過去の刑罰や重大な法令違反がある場合は相応の経過年数が必要です(目安:罰金5年、実刑10年等)。交通違反の扱いも行政罰か刑事罰かで変わります。事実関係は公的書類で示し、反省・再発防止の説明を準備してください。



申請前チェックリスト(実務)



  • 直近の確定申告書・法人決算書(2期分)を揃えている

  • 事業計画書と売上推移・見通しを準備している

  • 役員報酬・給与明細・源泉徴収票・課税証明を用意している

  • 会社・個人の社会保険加入証明書・納付証明を取得済み

  • 住民税・所得税・法人税の未納がない(滞納がある場合は清算済み)

  • 長期出張や別居など出国履歴の説明資料を整理している

  • 過去処分がある場合は判決書・略式命令・領収書等の公的資料と反省文を作成している

  • 雇用の継続性を示す雇用契約や従業員の給与支払状況を用意している

  • 事業の実態を示す賃貸契約書・事業所写真・取引先の契約書等を準備している

ワンポイント:書類の整合性が最重要です。決算書と課税証明、社会保険記録が矛盾すると審査で大きな不利になります。



ご相談について

経営管理ビザから永住権へ移るには事業実績の積み上げ、納税・社会保険の適正履行、在留履歴の整理など多面的な準備が必要です。当事務所では書類の整備、事業実績の見せ方のブラッシュアップ、反省文や説明書の作成、入管対応までワンストップで支援します。


まずは現状の決算書・課税証明・在留カードの写しをお持ちいただき、早めに申請可否の診断を受けることをおすすめします。