![]()
外国人起業家のための銀行口座開設ガイド:会社設立前に押さえる手続き
銀行法人口座開設のハードル
近年、外国人が日本で設立した法人の口座開設は厳しくなっています。マネーロンダリング防止のための規制強化や、
連絡不能による口座放置への対応コスト増大が背景です。審査では在留資格だけでなく、事業内容や規模、年商を総合的に判断されます。
必要書類を揃えるだけでなく、事業計画書や予想損益表を自発的に提出すると、審査通過率が上がるケースもあります。
会社設立のステップ
会社の基本方針を決定する
どのような事業を行うかを明確化し、「会社の目的」「社名」「所在地」「資本金」「株主・役員構成」などを策定します。
許認可が必要な業種なら、行政書士に相談して要件をチェックしましょう。
会社用の実印を作成する
社名が確定したら早めに印鑑発注を。印鑑の辺の長さは1cm超×3cm以内の正方形で、
登記時に「印鑑届書」を提出します。
定款を作成し公証人認証を受ける
定款の雛形をベースに、会社の目的や組織を反映させて作成します。
株式会社なら公証役場で公証人の認証を受ける必要があります。
資本金を個人口座に払込む
発起人の日本国内の個人口座へ資本金を払い込み、「払込証明書」を作成します。
商業登記を法務局で申請する
定款認証後、代表取締役の選任や添付書類を整え、法務局で登記申請。
登記完了日が会社設立日になります。
経営管理ビザを取得する
会社設立後、取締役就任を条件に経営管理ビザ申請が可能です。
要件が厳しいため、専門家と計画的に進めましょう。
法人口座を開設する
法務局登記完了後、銀行で法人口座申込。審査項目が多いので、資料は余裕を持って準備してください。
口座が必要になるタイミング
資本金払込み時
発起人の個人口座で資本金を管理。日本住所がない場合は、住所有りの人を代表発起人に据えるか、
短期の経営管理ビザ取得を検討します。
設立後の取引
取引先との入金・出金には法人口座が必須ですが、開設まで時間を要する例が多いため
初期は代表者個人口座で代用するケースもあります。
口座開設に必要な書類
個人口座
- 在留カードまたはマイナンバーカード
- 銀行印
- 在籍証明書(社員証・学生証など)
法人口座
- 履歴事項全部証明書(6か月以内発行)
- 法人印鑑証明書(6か月以内発行)
- 代表者の在留カード・マイナンバーカード
- 許認可業種の場合は許可証・届出証明
- 実質的支配者証明(必要に応じて)
口座開設時によくあるNGケース
信用情報に問題
滞納履歴や公共料金未払があると審査落ちの原因になります。
実態のある事務所がない
バーチャルオフィスのみでは口座開設を断られやすいです。
融資期待が低い
銀行は融資メリットを重視するため、業容が小さいと不利になります。
メガバンク申込
取引実績ゼロで都市銀行を狙うと審査が厳しくなります。
インターネット銀行や信用金庫、ゆうちょ、地方銀行から攻めると通りやすい傾向です。
まとめ
日本で会社を設立し、法人口座をスムーズに開設するには事前準備と綿密な書類作成が欠かせません。
経営管理ビザの有無や事業計画の説得力が審査を左右します。
手続きの負担を軽減し、本業に専念するためにも、専門家のサポートを積極的に活用しましょう。
COPYRIGHT ©
行政書士江坂国際法務事務所